2006年01月09日

少女


  赤いリボン 
  ラッピングされた箱
  色とりどりのお菓子



  「起きたの?」

  僕の意識が戻ると同時に聞いた最初の言葉
  目に飛び込んできたのは鮮やかな色彩だった

  赤、黄色、青、黒、白、その他多くの色
  
  リボンをつけたくま。
  絵本に出てくるような兵隊の人形
  人が入れそうな大きなラッピングされた箱
  宝石のような飴やチョコレイト
  
  それらが大量に、そして乱雑に散らかっている

  「あなたは外から来たの?」

  自分の意識を呼び寄せた対象に目を向けた

  大きな椅子に座った一人の少女
  
  赤い靴に、白いドレス、大きなリボン、黒いまつげ
  人形かと錯覚するほどの、整った顔立ち

  僕は質問に答えず聞いた

  「君は?」

  「私は、&%$’&#。 あなた外から来たのね、
   私を外の世界に連れて行って 」

  「君はこんなにも沢山のプレゼントに囲まれているのに
   それでも外に出たいの?」

  「ここには無いものばかりが外の世界にあるわ」

  「それが君にとっていいものかは分らないよ」

  「それでも刺激があるわ」

  「何故、君は一人でここを出て行こうとしないの?
   その足は飾りでないだろうに」

  「無理よ」

  「どうして?」

  「この世界から出たことないもの」

  「僕もこの世界から君を連れ出した事はないよ」

  「ナイトは姫を連れ出すものよ」

  「ナイト?僕じゃ ジョーカーがいいとこさ」

  「あなたは私に優しくないのね」

  「君にプレゼントをくれるナイトに外に、
   連れて行ってもらえばいい」

  「無理よ。彼らは私を綺麗に飾ることしか頭にないもの」

  「どちらにしても、僕は君のナイトにはなれないな」


  「何故?」

  
  「きっと僕は・・・




  
  いつもと変わらない闇がある
  色とりどりのプレゼントも人形のような少女も、もういない
  僕は再び闇の世界へと戻ってきた


  何故、彼女を見放したのだろうか
  彼女は真剣に外の世界へと出たがっていたのかもしれない
  プレゼントの数々は彼女を縛り付ける鎖だったのかもしれない


  「きっと僕は・・・


  言葉にならなかった想いを僕は胸の奥に飲み込んだ








  僕は誰
posted by 誰 at 04:36| Comment(4) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
女性の立場からの詩と、男性の立場からの詩、心に入る感じが違います。
何だか切なくなります。
共感できる所も勿論ありますが。
Posted by ひよこ at 2006年01月11日 21:36
ひよこさんへ

同じものを見ていても
少し違って見えるのかもしれません
一人一人違った世界をもっていますからね
Posted by 誰 (闇の中で) at 2006年01月15日 20:02
こんにちは☆.。
閉鎖された空間で会話で物語が進んで行って、最後に「僕は誰」と結末があって。
ぞくぞくっとしました。
「僕は誰」
自分自身が何者か解らない怖さは、いつも有る物ですね。
Posted by みほろん at 2006年01月20日 12:52
みほろんさんへ

僕は語り部であって
僕自身であって
あなたでもあります
僕は誰かで
誰でもない
そんなお話となっております
これからもお話を楽しんでいただけると
幸いです
Posted by 誰 (闇の中で) at 2006年01月21日 21:02
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Excerpt: 夫はどうやら外に女が居るらしい事は昔のブログにも書いたけどどうやったら本当に居るのか確かめられるのだろう・・・。寄せられた意見をまとめると・・・
Weblog: 妻50%女50%日記
Tracked: 2006-01-09 05:06
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